アフリカの「食」について

アフリカの食文化に挑戦(1)

アフリカンホームタッチ(六本木)

2024年 10月21日(ランチ)
東京・六本木 アフリカンホームタッチ
担当: ITO MIKA(with 𠮷竹めぐみ・ITO MIKAダンナ)

𠮷竹めぐみ(写真家):アラブ諸国、イスラム圏撮影のプロ。ヨーロッパを中心に世界中で写真展を開催している。「エジプト以外、アフリカにはご縁が無かった」という彼女が撮影する美味しそうなアフリカの写真と共に、アフリカの食文化をお届けします。

ご主人がシェフ、奥様がサーブを担当されているお店です。ご夫婦ともにガーナ人とのこと。
英語が9割、カタコトの日本語が1割くらいの割合でお話ししました。

レストランの制服にもなっている奥様のエプロンはガーナの伝統織物「ケンテ」の柄、幾何学模様が素敵ですね。使われている鮮やかな色にはそれぞれ意味があるそうです。

ヤギ肉のピーナッツスープフフ(芋の木のお餅)>

ピーナッツを使った料理は西アフリカでよく見られ、フランスなど旧植民地の食文化の影響とも。
ピーナッツバターをベースにしたスープには骨付きのヤギ肉とオクラ、玉ねぎが入っています。ピーナッツの香ばしい香りに、ヤギ肉の出汁がしっかりきいていて、かなり癖が強い。個人的には…ヤギ肉が入っていなければ、だいぶ好きなタイプです。
飲んだ最初はピリ辛で、だんだんと辛みが強くなり、途中からは結構辛い!という印象のスープでした。

フフは、西・中部アフリカの伝統的な主食のひとつ。イモ類などを原料にした「イモ餅」のような感じで、手でちぎって、ピーナッツスープに入れてふやかして食べるというのが、アフリカでの定番の食べ方だそう。試してみると、ふやけた炭水化物全体がヤギの香りで…強烈ぅ。ヤギ肉が大丈夫なダンナ曰く「肉々しいピーナッツバターを付けた蒸しパンを食べてる感じ」ですって…

ウガリ(ルワンダ風おもち)とスクマウィキビーフシチュー

基本的なウガリは、メイズという白いトウモロコシの粉を熱湯に入れて練って固めたもの。東部・南部アフリカの広い地域で主食とし、ケニアやタンザニアでは「ウガリ」、ウガンダでは「ポショ」など、各地で呼び名が違うそうです。

スクマウィキはケニアで広く食べられている野菜で、ケールの一種。スクマウィキ=スワヒリ語で「一週間を乗り切ろう!」という意味だけあって、栄養価の高いパワーフードです。トマト味に煮たスクマウィキと、ごくごく普通のビーフシチューがひと皿に盛られていて、ピーナッツスープ同様、ウガリを浸していただきます。
クタクタで野菜の甘味が出ていてトマトの酸味と合わさってとても美味しかった。普通のビーフシチューとはいっても、トマトの酸味がしっかり残り、やはり独特のスパイスの香りはしていて…インドやパキスタンの料理などに使われているスパイスとは傾向の異なる香りがしていました。

アロコイズミダイのグリル

アロコはコートジボワールのおやつ。さいの目に切ったプランテンバナナ(調理用バナナ)を揚げたものです。噛めば噛むほどバナナの香りの先にじわっと甘味が増す感じ。生のバナナは苦手だが火の通ったバナナは大好きなので、とても美味しかったです。

イズミダイは流通名で、タイと言っても鯛類とは一切関係なく、ティラピアと呼ばれている魚の一種。日本ではシクリッドというのも馴染があるかも。白身魚の中でも淡泊な鱈などによく似ていて、ほろほろと身が解け、癖がなく食べやすかったです。
添えられたタレは、とっても複雑なスパイシーさ…。いったい何種類のスパイスを配合したのでしょうか…という感じの香りと味のスパイス。山椒っぽい辛みが独特で、ほんの少しでも刺激的、普通に付けただけで咽るほどの辛さでした。

チョコレートアイスパンプキンアイス

デザートもいただきました。見た目がとてもカワイイ。
チョコレートアイスは深いカカオの香りで、甘すぎず、さっぱりしていて…程よいクリーム感もあってとても美味しかった。
パンプキンアイスは自然の野菜の甘さで、かぼちゃの香り満載。サラッとした口あたりでした。

<ドリンク MALTA GOYASTAR BEER

MALTA GOYAは微炭酸で甘みのあるノンアルコール麦芽飲料です。
STAR BEERはナイジェリアから全土へ人気が拡大したすっきりラガービール(ガーナでも製造されています)。

12:30頃、お店を訪れた男性の一人旅客とお話ししました。アメリカ人の彼は、ガーナにルーツを持っていて、初めての日本旅行中にガーナの料理を提供しているお店を見つけたのでランチに来たとのこと。ニューヨーク、マンハッタン在住のファイナンシャルトレーダー…かなりのエリートと見た。確かに、とってもきれいな英語を話しておられました。

自身のルーツであるガーナの料理、また、広くアフリカ全般の料理を旅行先の日本で味わえて幸せだと。食事の内容や旅の思い出など、ビデオメッセージにしてニューヨークに送っておられました。私もちゃっかりビデオに参加して、日本語でニューヨークのトレーダーらにメッセージを伝えておきました!

—– もうひと皿(こぼれ話)—–

12:00スタートでランチ営業していることを、事前に電話で確認していました。
私たちは11:45にお店の前で待ち合わせ。外観の写真などを撮影して開店を待っていましたが、その気配なく…12:00開店というならば12:30くらいまでのんびり待ちましょう…と思っていたら、11:59にオーナーのご夫婦が車で到着!
一緒にお店へ入り…

「Sit wherever you like and wait(好きなところに座ってちょっと待ってて)」

メニューと水をもらって、待つこと15分…やっとオーダーをとりに来てくれました。
これも「本格的な現地ご飯のお店あるある」でしょうか?(笑)

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